manavia Study

m-maga
道徳

「深い学び」を実現する道徳科授業づくり

國學院大學教授
田沼 茂紀
第4回|最終回 教科等横断的な視点を取り入れた道徳科授業

カリキュラム・マネジメントは道徳科の何を変えるのか

 
これまでの自分自身を顧みてもそうですが、道徳授業を語るときは、つい教材、指導法、道徳的実態把握法、教師の指導姿勢といった眼前の極めて現実的な視点に終始しがちです。ましてや、「主体的・対話的で深い学び」による道徳科の授業改善を今後どう進めるのかといった学校現場目線での課題を突きつけられてしまうと、その関心は勢い指導法の改善という一点に向きがちです。このとき、考えたいことが、カリキュラム・マネジメントです。
 
小・中学校新学習指導要領第1章「総則」第5では、次のように規定されています。
 
各学校の特色を生かしたカリキュラム・マネジメントを行うよう努めるものとする。また、各学校が行う学校評価については、教育課程の編成、実施、改善が教育活動や学校運営の中核となることを踏まえ、カリキュラム・マネジメントと関連付けながら実施するよう留意するものとする。
 
これからの道徳科では、新たに示されたカリキュラム・マネジメントの発想に基づく教科運営を意識し、学校教育全体という枠組みのなかで機能的かつ実効的に行っていけるようにしなければなりません。
 
道徳科授業では、学校教育全体を通じて行う道徳教育と同様に、他教科等との密接な関連性を保持しながら指導することで、教育効果を引き出すことが期待されています。道徳的な「見方・考え方」は道徳科のみで育成されるといった狭量なものではなく、各教科等での様々な場面を通じても行われていることを意識した意図的な指導が求められる所以です。
 
これまでの道徳の時間で年間指導計画を立案する際は、年間時間という限定された枠組みのなかでどう立案するかといった発想でした。しかし、(先にも述べたように)学校教育全体での道徳的な学びも意識しながら道徳科年間計画を構成していくという発想に立つと、指導すべき内容(scope)とその指導内容に関わる系統的体系性(sequence)はとても大きく広がっていきます。
 

オススメ図書・動画など


 

 

田沼 茂紀 編著

 

本書の構成

第1章 「主体的・対話的で深い学び」を実現する道徳科授業づくり
第2章 道徳科授業における評価とは何か
第3章 道徳科授業の評価をどう進めるか
第4章 パッケージ型ユニット(単元型学習)のカリキュラム・デザイン
第5章 道徳科授業の評価方法論的視点とそのフレーム
第6章 [子供が本気で語り、本気で学ぶ]道徳科授業の実践と評価の進め方