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道徳

「深い学び」を実現する道徳科授業づくり

國學院大學教授
田沼 茂紀
第2回 「主体的・対話的で深い学び」とは何か

道徳科で求める「主体的・対話的で深い学び」とは?

 
道徳科授業が、国語科や社会科、算数・数学科等と同様に教科教育として位置付けられると、どのような授業改善が期待できるのでしょうか。
 
形式的な面で見れば、次の3点が思い当たります(この①~③の前提には、「道徳科授業で学ぶ主人公としての子供一人一人の姿」がある)。
 
①教科書の導入による指導計画の安定化
②通信表や指導要録等の評価を記載する学習評価方法の定着
③能動的なパフォーマンス評価を可能にする授業への指導方法の転換
 
ここで、「考え、議論する道徳授業」の意図について考えてみたいと思います。この「考え、議論する」とは、これからの道徳科をイメージする言葉として頻繁に用いられている言葉です。
 
小・中学校新学習指導要領第1章「総則」第1の2では、「学校の教育活動を進めるに当たっては、各学校において(中略)主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で(中略)児童(生徒)に生きる力を育むことを目指すものとする」と規定されていますが、この文言がまさに「考え、議論する道徳授業」と通底します。
 
それは、「何を知っているか」という知識獲得に主眼を置いた教授型の授業から、その知識を活用して「何ができるか」という自らの生き方や自らの人生を切り拓いていくことができる資質・能力育成を主眼に据えた、コンテンツ習得型の学習とコンピテンシー形成型の学習の融合にほかなりません。
 
新旧学習指導要領第3章を比較すると一目瞭然ですが、これまでの道徳の時間では内容として示された各項目等の道徳的諸価値をどう指導していくのかという方法論が目標のなかで規定されていました。それが新しい道徳科では、道徳的諸価値について学ぶ子供たちのコンピテンシー形成という視点から、どのような道徳的資質・能力を育んでいくのかという具体的な視点が新たに盛り込まれたことが分かります。
 
つまり、「頭で分かっていることを再度言わせたり、書かせたりするような、なぞる道徳授業」から、「自分の生き方や自分の人生を切り拓く際に求められる具体的な生きて働く力としての資質・能力を学びの経験として育む道徳科授業」への転換を目指していかなければならないということです。
 

オススメ図書・動画など


 

 

田沼 茂紀 編著

 

本書の構成

第1章 「主体的・対話的で深い学び」を実現する道徳科授業づくり
第2章 道徳科授業における評価とは何か
第3章 道徳科授業の評価をどう進めるか
第4章 パッケージ型ユニット(単元型学習)のカリキュラム・デザイン
第5章 道徳科授業の評価方法論的視点とそのフレーム
第6章 [子供が本気で語り、本気で学ぶ]道徳科授業の実践と評価の進め方